- なぜ緊張するのかを紐解く
- 緊張を味方にするための実践的な4つの方法
- 緊張を味方にするために経験値の重要性
- 緊張を味方に付けるマインドを紹介
「人前になると緊張して声がでなくなってしまう」「本番だと喉を締め付けてしまい、高温がでない」などなど、普段の練習では歌えても”人前で歌う”シチュエーションになると途端に緊張して歌えなくなる経験はありませんか?
私自身も極度の緊張しいで人前になると歌えない一人でした。
それでも、あきらめずに方法を模索したり、出会った音楽関係者(アーティストやボイトレの先生など)に聞いたりして、少しずつ克服しています!
この記事では、自身の体験やプロからのアドバイスなどをもとにして、緊張を味方にして人前でも歌えるようになる方法をご紹介します。
なぜ緊張するのか?

人前で歌う時に”なぜ緊張を感じるのか”、深く考えたことはありますか?
緊張することには理由があり、きちんと理解することである程度の対処をすることが可能です。
緊張は、誰もが持つ感情であり、決してマイナスなものではありません。使い方によっては、とても大きなエネルギーに変わったりもします。
緊張は誰でも持つ感情
心理学での緊張とは、
とされており、緊張する理由の一つに【自己注目】というものが関係していると考えられています。
【失敗への恐怖】【初めてで安心できない場所】【上手に演奏したい】など、人からどう思われるか?という誰でも持ちえる感情のことです。
あの有名人さえ、大きな会場やイベント前は緊張しているものです。だからこそ、その緊張をどう利用するかが大切になります!
緊張することはマイナスではない
多くの人が、「緊張すると実力がだせず良くない事だ」というイメージを持っていますが、実はそうでもありません。
適度な緊張状態は、運動能力が高まり、創造性・柔軟性などを向上してくれます。
ただし、緊張状態が強くなりすぎると、ストレス・不安・危険などから脳が身を守ろうとし、体がこわばる・呼吸が浅くなる・心拍数が上がる等の一種の防衛反応を起こすのです。
緊張を味方につけるには、「適度な緊張状態は悪い事ではなく、むしろより良いパフォーマンスが出来るサイン」という事を認識しておく必要がありますね。
次に、極度の緊張状態を適度な緊張状態にする方法をご紹介します。
緊張を味方にするには?

緊張を味方にするためには、「上手く歌おうとしない」「過度に緊張するのは練習不足」「丹田で支えを作る」「入念なストレッチを行う」4つのポイントを意識すると良いでしょう。
それぞれを詳しく解説していきます!
その①上手く歌おうとしない
緊張する理由には、”人からどう思われるか・見られるか”が関係していることが分かりました。
真剣に取り組んできた・ボイトレに通ったり練習してきたなど、今まで頑張ってきた人ほど、「自分はもっとできるんだ」「良いところを見せたい」と体に力が入り、結果、本番でうまく成果を出せないケースが多いです。
注いできた情熱や熱量が多いほど、結果にこだわったり、期待してしまいますよね。
しかし、上手く歌おう、失敗できないと思えば思うほど脳は反対に失敗したときのことを考え、体は緊張状態に陥ってしまいます。
結果、呼吸が浅くなる、喉や下顎に力が入るなど、上手く歌うための体とはかけ離れてしまうのです。
うまくいけばいいですが、練習でできていないことが本番でできることはほとんどないですし、毎回、一か八かで挑戦するのは危険です。
練習以上にうまくやろう!という気持ちではなく、練習で出来たことを本番でも出せるように意識するのが大切ですね。
一緒に、ボーカルケアを継続させていくと自信に繋がります!
その②過度な緊張は練習不足
極度に緊張してしまうのは、【練習不足】も要因のひとつになります。
私自身、プロの音楽家とご一緒したときにこのようなアドバイス頂いきました。
たくさんのライブやイベントを経験してきて、出てきた言葉ですね。
ここで言われた「きちんとした練習」というのは、毎日何時間は歌うや何時間練習する事ではありません。
歌っていて、自分がどこを難しく感じているか?上手く歌えた時の、喉や口の開け方、体の使い方や支えなど、良いパフォーマンスができた時の状態を本番でも再現できるようにすることでした。
正しい練習をして、本番でもそれが出せるように体に覚えさせましょう!
- 声がでなくなる個所を重点的に練習
- のどの位置・声の通り・体の支えなど、どう使えば声がでるのか意識して練習する
- 息の使い方や息の量を調整してみる
- うまく出来た時と出来ない時の差を明確にする
- 持久力をつけるため、1曲通しで歌ってみる
その③丹田で支えを作る
丹田で支えを作って(意識して)歌うと、重心ができ体のバランスが通常よりも整うため(姿勢がよくなる)、無駄な力が入りにくくなります。
その他にも、丹田を支えにした発声ができると多くのメリットが期待できます。
- 喉声の解消
- 息が通りやすくなり、声が出しやすい
- ピッチが安定する
- 喉が渇きに乾きにくくなる
人によっては、「お腹に力を入れて」などと言ったりもしますが、共通して「丹田で支えを作る」を指しているのです。
丹田はおへそから指4〜5本下の場所にあります。

丹田を意識して支えを作るだけで、緊張していてもきちん歌うことができます!
その④入念なストレッチ
歌の勉強をしていると、体は楽器という言葉を耳にしませんか?
ギター等、実際の楽器に例えるととても分かり易いです。
弦が張られていない状態では音は鳴らず、ネックが曲がっていたら演奏しにくいですね。
また、弦が錆びていたら良い音色は出ません。
次いで、歌を歌うのはアスリートと似ているという言葉もよく聞くと思います。
スポーツ選手は、競技をする前に必ず入念な準備運動やストレッチを行っていますね。
歌も同じで、歌うために体の調子を整えてあげることが必要なのです。
普段から歌を歌うための体づくりをすることはもちろん、LIVEやオーディション前は、首周りの筋肉をほぐしてあげたり、肺に空気が入り横隔膜が動きやすくするストレッチを行うと良いでしょう。
緊張すると体がこわばってしまうので、そんな時こそ、ストレッチでしっかりとほぐしてあげましょう。
経験値を上げていく

極度に緊張してしまう原因の一つに、経験不足があります。
学校の初登校日、会社の初出勤日…想像するだけでなんだかそわそわして緊張しませんか?
初めてのことは、何が起こるのか予想ができずに緊張するものです。
歌も同じで、「歌が得意だから聴いてほしい!」「人前に立つのが大好き」のように一部の人を覗いて、大多数の人が人前で歌を発表することに緊張を感じます。
そんな時は、多くの数をこなして経験値を積んでいくことが大切です。
経験値を増やしていくことで、見せ方や立ち回り方も見えてくるでしょう。
魅せ方やパフォーマンス・メンタルの保ち方などもあわせて勉強するとさらにGOODです!
その⑤オープンマイクで経験を積む
お金を払い、LIVE環境に似た状態で歌えるオープンマイクをご存じですか?
都内を中心に開催場所が広がっており、cafe&bar やライブハウスなど、曜日や日にち指定で開かれています。
機材や音響、システムなどはお店によって様々ですが、出演者はアマチュアからプロを目指しているアーティストなど幅広く、人脈作りにも最適です。
各出演者が1回3曲を歌い、全員が歌い終わったら、最初からまた歌っていきます。
(お店によっては1回1曲などもあります)
サウンドハウスさんにてオープンマイクの記事を書かせていただいています!気になる方は合わせてお読みください!
その⑥LIVE配信をしてみる
マイクや音響など本番環境とは違いますが、自宅などでLIVE配信をしてみるのも一つの経験になります。
目の前にお客さんや審査員はいませんが、画面越しの誰かに向けて歌うという行為自体は、自分だけで練習している時の感覚とは、大きく異なるでしょう。
視聴者からの反応に答えようコミュニケーションを図ることで、MC力UPにも繋がりますね!
また、自宅配信が難しい場合、音楽スタジオで配信してみるのも良いですね。
その⑦マイクの使い方を覚える
マイクを使った練習をしていますか?
立ち姿で歌う、座って歌う、楽器を引きながら歌うなど色々なパターンがありますが、本番と同じスタイルで練習することが大切です。
ライブやオーディション等では、カラオケでよく見るタイプの【ダイナミックマイク】を使用することが一般的なので、スタジオ練習などでマイクの使い方を勉強しておくことと良いでしょう。
(普段は家で練習して、本番前の何回かはスタジオチェックにすれば、コストも抑えられそうです!
人によってはマイク持参される方もいますね!「高音に強い」「低い音を拾いやすい」など、マイクによって特色があるので、自分の声にあったマイク選びも楽しそうです。
声をマイクに拾わせるための正しい持ち方・口元とマイクの位置など、気を付けたいポイントがあるので、日頃から意識して練習を行い、本番では完璧にできるようにしていきましょう!
- グリップ中央を持つ
- マイクのグリルやケーブルを含むお尻側を持つのはNG
- マイクと口元までの距離は指が2本入るくらい
弾き語りやスタンドに設置している場合は手に持っての歌唱はないので、口元とマイクの位置(高い低い)や距離を意識すると良いです。
ボリュームが小さい時は、マイクとの距離を気持ち縮めて、サビなど声量が出る場面では、マイクを少し離すなど工夫すると更に良くなります。
その⑧失敗も経験
失敗を恐れず、どんどん挑戦して行きましょう。
「失敗は成功のもと」という名言の通り、失敗した事から学び成長していくことで、目標に近づいて行きます。
大きな障害や失敗をせずに目的地へたどり着いてしまう人も中にはいますが、失敗したときの立ち上がり方を知らず、壁が目の前に立ちはだかった時に諦めてしまいやすいです。
失敗した瞬間は、悔しさや恥ずかしさを感じたり、自尊心も粉々に砕けてしまいますが、そこで終わらせずに立ち上がれたら強いです。
失敗を考えたり、「今のレベルでLIVEなんて…」と思い、人まで声が出ない、高音が怖くて歌うのを辞めてしまったこと、何度もあります…!
次はこうしよう、ここで声が出なかったのはこれが原因か?と反省したり、メンタルを強化するために勉強したりして、ちょっとずつ成長してますね^^
まとめ
緊張することは、決して悪いことではないことをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
緊張は使い方次第、意識の仕方次第でとても強い味方になってくれます。
この記事でご紹介した、緊張を味方につける8つの方法にトライし、ぜひ良いパフォーマンスに繋げてください!
本記事が、最後まで読んでくれた皆さんの力になれば幸いです。